種々の物質がヒト精子先体反応に及ぼす影響

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ヒト精子と透明帯除去ハムスター卵のin vitro penetration assayを用い,Ca^<++>,Mg^<++>,Kallikrein,Phospholipase A_2,p-bromophenacyl bromide,Lysophosphatidyl choline,arachidonic acid,Glyceryl monooleateがヒト精子先体反応に及ぼす影響について検討した.1)Ca^<++> and Mg^<++>を含む場合(contro1)94%の侵入率を示したのに対し,Ca^<++>のみを含む場合67%,Mg^<++>のみを含む場合7%,Ca^<++> and Mg^<++> freeの場合0%でCa^<++>,Mg^<++>はヒト精子先体反応に不可欠であることが示唆された.2)Kallikreinを添加した場合controlで24%の侵入率を示したのに対し,0.1,0.5,1.0,4.OKU/ml濃度で各々19%,73%,95%,99%と1.0〜4.OKU/mlでヒト精子先体反応促進効果のピークを認めた.3)Phospholipase A_2を添加した場合,controlで55%の侵入率を示したのに対し,0.2,2.Ounit/ml濃度で各々52%,52%と差を認めなかった.p-bromophenacyl bromideを添加した場合,controIが91%の侵入率であったのに対し,1×10^<-5>M,1×10^<-4>M,1×10^<-3>Mで各々41%,16%,0%と阻害効果が認められ,精子内因性Phospholipase A_2、の先体反応に対する関与が示唆された.4)Lysophosphatidyl cholineを添加した場合controlの侵入率が43%であったのに対し,5,50,500μg/ml濃度で各々55%,91%,0%と50μg/ml濃度でヒト精子先体反応促進効果が認められた.5)Arachidonic acidを添加した場合controlの侵入率が52%であったのに対し,5,50,500μg/ml濃度で各々87%,81%,65%と5〜50μg/ml濃度で先体反応促進効果のピークを認めた.Glyceryl monooleateを添加した場合,controlの侵入率が23%であったのに対し100,200,300,400,500μg/ml濃度で各々36%,64%,77%,84%,50%と300〜400μg/ml濃度で先体反応促進効果のピークを認めた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1985-06-01

種々の物質がヒト精子先体反応に及ぼす影響

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