estradiol負荷によるラット視床下部内LH-RHの変動に関する研究
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概要
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4日周期を示すWistar系成熟ラつトについて, 下記の条件下に断頭, 視床下部内LHRHと血中LHをRadioimmunoassayにて測定し, その変動につき検討を加えた. (1)正常各周期の視床下部内LHRH, 血中LHを測定すると, Proestrus期(P期)の17:00にLHのピークを示すと共にLHRHの有意な低下が確認された. これにより, P期の17:00前後に視床下部よりLHRHが放出され, 下垂体に作用して大量のLHを血中に放出すると考えらる. (2)Diestrus I期(D_I期)の17:00にestradiol benzoate(E_2) 100γを筋注し, Diestrus II期(D_<II>期)に断頭, E_2も同時に測定すると, 生食を筋注したcontrol群に比較し, 血中LHは17:00で有意に上昇し, 視床下部内LHRHも17:00に有意な増加を示した. しかし, D_I期の12:00にE_2は筋注した場合は, LH RHの上昇はE_2の減少に伴い11:00頃と, 6時間程早くなつたが, LHピークの出現は, D_I期のE_2投与時刻に左右されないと考えられる. (3)D_I期12:00にE_2 100γを筋注すると共に, 6群にわけ, control群の他, progesteron(P) 5mgをD_I期12:00, 18:00, D_<II>期0:00, 12:00と時間をずらして筋注し, D_<II>期の17:00に断頭, 血中LHを測定すると, 18:00, 0:00の各群でcontrol群に比べ有意に低値を示した. そこで, A群(D_I期12:00にE_2とP), B群(D_I期12:00にE_2, D_I期0:00にP)につき時間を追つて測定すると, 視床下部内LHRHの変動は, A群ではD_<II>期17:00のLHピークにむかつて増加傾向を示したが, B群ではD_<II>期の午後には増加せず, むしろ低下傾向を示した. 又, 17:00のLHピークはA群に比しB群が有意に低値であつた. 以上より, E_2投与による変動に対しPは投与時刻により視床下部内LHRHを介してLHピークを抑制することがあると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-08-01
著者
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