Camellia 属植物における細胞遺伝学的研究: III.チャとツバキの雑種について

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概要

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チャの耐凍性育種のため,ツバキとチャの交雑を行ない,そのF_1の外部形態や花粉母細胞の染色体対合について調べた。ツバキにはヤブツバキ,チャにはヤブキタを用いた,F_1の外部形態については,木全体はヤブツバキに似ていたが,葉や花の形態は両親の中間を示した。とくに花のつぼみの着き方はチャに似ていて,頂芽をはさんで2個づつ着く場合が多く,大体3〜4個のつぼみが一ケ所についていた。花柄はチャと同様に長く,花の大きさは両親の中問を示した。子房の表面はツバキでは毛がたく,温かであったが,F_1の子房にはチャと同様に毛が密生していた。開花期はチャと同様に秋で,花の色はヤブツバキが濃い赤,チャが白であるに対し,F_1の花はうすい赤であった。花粉母細胞の染色体対合では,1価染色体がしばしば観察され,花粉四分子期には1〜7分子の小胞子が見られ,小核をもつものもあった。これらのことから,このF_1は確かにヤブツバキとチャの雑種であると推察された。
日本育種学会の論文
1978-06-01

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