感光性イネの生殖生長期における長日処理による出穂撹乱
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概要
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イネの第6染色体のLm(Se-1)はわが国のイネ品種の出穂期を支配する主要な遺伝子座であることから,Lm座の日長反応のうち,長日条件下で育てたときの短日処理の効果をこれまでに明らかにしてきた.ここでは,感光性遺伝子Lm^nをもつ系統を短目条件下で育て,生殖生長期に入ってから施した長目処理の効果について調べた.この系統では短目処理によって聴器官が分化して穂が伸長する初期ないし中期に短期間の24時間照明を受けると,出穂しても短穂や疎穂のような奇形となった.また,この時期に比較的長期間の,または,穂伸長の後期に1日以上の24時間照明を受けると,分化した穂は座止し,出穂しなかった.このことから,24時間照明は穂器官の分化・発育の異常と節間伸長の阻害をもたらすと結論した.
- 日本育種学会の論文
- 1994-03-01
著者
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