冬季の東日本上空・下部成層圏において1989-95年に観測された重力波活動度の経年および日々変動
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概要
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1989-95年の気象庁レーウインゾンデ観測データを基に、日本上空(27°N-45°N)の下部成層圏における重力波活動度の経年および日々変動を調べた。重力波活動度は2-6kmの鉛直スケールを持つ温度および風速擾乱の高度方向の分散値により定義した。まず重力波活動度の子午面分布の特徴として、冬季の秋田上空(〜40°N)・高度20km付近に活発な領域の存在することが、解析を行った7年間を通じて確認された。さらに、この領域における重力波の活動が顕著な経年変動および日々変動を伴っていることが明らかとなった。特に温度分散は1990/91年から1994/95年にかけて約1.5倍に増大し、背景の東西風速も同期間に強まる傾向を示した。一方、温度分散と背景のブラントバイサラ数との間には明瞭な関係は見られなかった。上記の振幅極大領域(冬季の秋田上空・高度20km付近)においては、大振幅の波動は数日程度の周期性を持って間欠的に現れる。同領域における温度分散の日々変動と地表から下部成層圏までの各高度帯における東西風速変動との相互相関解析を行なったところ、地上付近の東西風速が強まると同時に高度20km付近の重力波の活動が活発になることがわかった。同様の結果は東北日本および北海道の他の観測点においても認められた。この結果は冬季の秋田上空・高度約20kmを中心に現れる擾乱が、南北に走る山脈を越える強い東西風によって励起された山岳波であることを示唆している。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1999-04-25
著者
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