対流圏界面付近の中間規模波動およびその背景場との関係 : 準地衡ポテンシャル渦度を用いた解析
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概要
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中緯度対流圏界面付近の中間規模波動とその背景場について、準地衡ポテンシャル渦度分布の観点から調べた。1995年4月のMUレーダーおよびラジオゾンデ19日間連続観測データにより、中間規模波動が観測されたのは、いずれも総観規模波動のリッジにあたっていることを見出した。このとき対流圏界面付近に、リッジ時に特徴的な安定度の鉛直分布によってもたらされる伸縮渦度の大きな正の南北勾配が存在していることがわかった。また、気象庁高層観測ネットワークデータにより、この安定度の特徴的な構造は数度の緯度幅をもって出現していることが確認された。またGANALのデータを用いて、中間規模波動の卓越した二つの時期について擾乱の水平構造を調べたところ、これまで報告されていた南北方向に節のない単純な波状構造を持つもののほかに、節を一つもつ構造の擾乱が見つかった。それらは伸縮渦度勾配の大きなところに存在しており、伸縮渦度勾配が中間規模波動の出現位置と大きく関連していることを示唆する。以上の結果は、中間規模波動を対流圏界面付近に局在する準地衡ポテンシャル渦度勾配に捕捉されるモードととらえた理論的考察(Sato et al., 1998)と調和する。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1998-12-25
著者
-
佐藤 薫
極地研
-
山森 美穂
京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻
-
佐藤 薫
京都大学大学院理学研究科地球物理学教室
-
山森 美穂
東大ccsr
-
山森 美穂
NICT
-
佐藤 薫
京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻
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