抗悪性腫瘍薬Paclitaxelの生殖・発生毒性試験(第3報) : ラットにおける周産期及び授乳期静脈内投与試験
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概要
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抗悪性腫瘍薬paclitaxelを0, 0.1, 0.3及び1.0mg/kg/日の割合でCrj: CD (SD)雌ラットに, 妊娠17日より分娩後21日までの間連日静脈内投与し, 次の結果を得た。1. 本試験で得られた全ての生殖及び発達に関するパラメータに対し, 溶媒投与の影響はみられなかった。2. 母獣(F_0)の体重はpaclitaxel 1.0 mg/kgの投与により分娩後4日から22日まで増加抑制がみられ, 摂餌量は同群で妊娠19日から分娩後21日に生理食塩液投与群を下回った。3. Paclitaxel 1.0 mg/kg群で母獣(F_0)の胸腺・心・子宮重量の減少と胸腺萎縮の発現率の上昇が認められた。4. 新生児(F_1)の出生状況及び生存率に及ぼすpaclitaxel投与の影響は認められなかった。5. 育成児(F_1)の身体分化については, paclitaxel 1.0 mg/kg群の毛生, 切歯萌出及び精巣下降に至る日数が有意に延長した。6. 育成児(F_1)の行動発達試験については, paclitaxel 1.0 mg/kg群の嗅覚性弁別反応における反応潜時が延長し, 自由落下反射における反応陽性率が低下した。7. Paclitaxel 1.0 mg/kg群のF_1ラットの体重は, 雄で1から12週齢時, 雌で1から7週齢時に増加抑制がみられ, 摂餌量は同群の雄で7から12週齢時に生理食塩液投与群を下回った。8. F_1ラットの学習能力及び記憶, 自発運動量並びに情動性に及ぼすpaclitaxelの影響はみられなかった。9. Paclitaxelは雌雄F_1ラットの生殖能に悪影響を及ぼさなかった。10. Paclitaxel 1.0 mg/kg群の雌雄F_1ラットで離乳時に脾重量の減少, 雄F_1ラットで交配期間終了時に肝重量の減少が認められた。11. 妊娠F_1ラットより得られた胎児(F_2)の発育に及ぼすpaclitaxel投与の影響は認められなかった。以上の結果より, 生殖及び発達に関する指標から判断して, 本試験におけるpaclitaxelの親動物(F_0)及び次世代(F_1)に対する無影響量はそれぞれ1.0 mg/kg/日及び0.3 mg/kg/日と考えられた。
- 1994-08-25
著者
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甲斐 修一
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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門田 利人
日本製薬工業協会基礎研究部会第一分科会統計ワーキンググループ
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近藤 博志
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
-
河野 茂生
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
-
門田 利人
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
近沢 弘隆
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
石川 克己
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
平岩 映子
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所・毒性病理研究室
-
小泉 滋
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所・毒性病理研究室
-
服部 則道
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所・毒性病理研究室
-
坂倉 佳代
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所・毒性病理研究室
-
久田 真二
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所・毒性病理研究室
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石川 克己
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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河村 寿
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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平岩 映子
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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小泉 滋
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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近沢 弘隆
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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久田 真二
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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服部 則道
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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坂倉 佳代
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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