抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 の生殖に及ぼす影響 (第5報) : ラットにおける妊娠前及び妊娠初期静脈内投与試験
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概要
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抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 (VP) を 0.05, 0.2 及び 0.8 mg/kg/日の割合で Crj: CD (SD) ラットに, 雄では61日間, 雌では14日間連日静脈内投与した後投与を継続しながら雌堆を同居させ, 妊娠の成立した雌には更に妊娠0から7日目まで投与を続け, 概略次の結果を得た。1. 雄ラットの体重は VP 0.8 mg/kg群で投与5日目より投与終了時まで, 雌ラットの体重は 0.2 mg/kg群で交配前投与10日目より妊娠14日目まで, 0.8 mg/kg群で交配前投与7日目より妊娠20日目まで増加抑制が認められた。2. VP 0.2 mg/kg以上の投与は雄ラットの胸腺重量を, 0.8 mg/kgの投与は精巣・精巣上体重量を減少させ, 肉眼的にもこれらの器官の萎縮を誘起したが, 親動物の生殖能等には影響を及ぼさなかった。3. VP 0.8 mg/kg群で胎仔死亡率の上昇と生存胎仔数の減少及び生存胎仔の発育抑制が認められた。更に, 同群で胎仔の無眼・小眼・側脳室拡張の発現率が上昇し, 第5・6胸骨未骨化の発現率が高く, 胸骨・頸椎・仙尾椎・中手骨・胸椎の骨化遅延が認められた。以上のように, ラットの妊娠前及び妊娠初期に投与された VP は 0.2 mg/kg以上の投与量で母獣の体重増加を抑制し, 雄ラットの胸腺の萎縮, 更に 0.8 mg/kgの投与量で雄ラットの生殖器の萎縮, 胎仔死亡率の上昇, 眼及び脳の異常, 骨化遅延を伴う発育抑制を誘起したが, 0.2 mg/kg以下の投与量では胎仔の発育は影響を受けないことが示唆された。従って, 本試験における親動物及び胎仔に対する VP の無影響量はそれぞれ0.05及び0.2 mg/kg/日と考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1986-04-25
著者
-
甲斐 修一
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
-
門田 利人
日本製薬工業協会基礎研究部会第一分科会統計ワーキンググループ
-
河野 茂生
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
-
太田 恵子
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
門田 利人
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
太田 敏
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
石川 克己
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
浜島 義規
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
竹内 友佳子
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
田中 隆
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
石川 克己
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
-
竹内 友佳子
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
-
高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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