抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 の生殖に及ぼす影響 (第1報) : ラットにおける妊娠前及び妊娠初期経口投与試験
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概要
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抗悪性腫瘍薬 VP 16-213 (VP) を1, 3及び 10 mg/kg/日の割合で Crj:CD (SD) ラットに, 雄では64日間, 雌では15日間連日経口投与した後投与を継続しながら雌堆を同居させ, 妊娠の成立した雌には更に妊娠0から7日目まで投与を続け, 概略次の結果を得た。1. 雌ラットの体重は VP 10 mg/kg 群で交配前8日目より妊娠20日目に増加抑制が認めろれたが, 雄ラットでは用量相関を伴う一定の傾向はみられなかった。2. VP 10 mg/kg 群の雄ラットの精巣・精巣上体・胸腺重量は減少し, 肉眼的には精巣・精巣上体・胸腺の萎縮を誘起したが, 親動物の生殖能等には影響を及ぼさなかった。3. VP 10 mg/kg 群で胎仔死亡率の上昇と生存胎仔数の減少及び生存胎仔の発育抑制が認められた。更に, 同群で胎仔の無眼・小眼・側脳室拡張の発現率が上昇し, 第5・6胸骨未骨化の発現率が高く, 胸骨・仙尾椎・中手骨・胸椎・恥骨の骨化遅延が認められた。以上のように, ラットの妊娠前及び妊娠初期に投与された VP 10 mg/kg は, 母獣の体重増加を抑制し, 雄ラットの生殖器を萎縮させ, 更に胎仔に対しては死亡率の上昇, 眼及び脳の異常, 骨化遅延を伴う発育抑制を誘起したが, 3 mg/kg 以下の投与量では親動物及び胎仔ともに影響を受けないことが示唆された。従って, 本試験における雌堆ラットの生殖能及び胚・胎仔の発育に対する VP の無影響量は 3 mg/kg/日と考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1986-04-25
著者
-
甲斐 修一
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
-
河野 茂生
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
-
太田 恵子
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
門田 利人
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
太田 敏
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
石川 克己
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
浜島 義規
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社・前臨床研究所
-
石川 克己
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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