抗不安薬Buspirone hydrochlorideの生殖・発生毒性試験(第2報) : ラットにおける周産期及び授乳期経口投与試験
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概要
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抗不安薬buspirone hydrochloride (buspirone) を2, 12及び75mg/kg/日の割合でCrj : CD (Sprague-Dawley)ラットに, 妊娠17日目より分娩後20日目までの間反復経口投与し, 概略次の結果を得た. 1. Buspirone 75mg/kg群で母獣(F_0)の自発運動は抑制され, 12mg/kg以上の投与群で投与期間中摂餌量の減少を伴う体重の増加抑制が認められた. 2. 母獣(F_0)の哺育期間終了時剖検において, buspirone 12mg/kg以上の投与群で脳及び副腎重量, 75mg/kg群で肺及び下垂体重量が増加した. 3. Buspirone 75mg/kg群で死産仔数の増加が認められた. 4. Buspirone 75mg/kg群で育成仔(F_1)の生後3日目の生存率は低下し, 耳介開展, 腹部毛生及び眼険開裂に至る日数は遅延したが, 学習能力, 運動能力, 運動性及び情動性に対するbuspironeの影響はみられなかった. 5. Buspirone 12mg/kg以上の投与群の雌雄F_1ラットで摂餌量の減少を伴う体重の増加抑制が認められた. 6. Buspirone 12mg/kg以上の投与群の雌F_1ラットで交配後の剖検において心重量及び75mg/kg群の雌雄F_1ラットで10週齢時剖検において脳重量の減少が認められたが, 生殖能に対するbuspironeの影響はみられなかった. 7. 妊娠F_1ラットより得られた新生仔(F_2)の出生に対するbuspirone投与の影響はみられなかった. 以上のように, ラットの周産期及び授乳期に投与されたbuspironeは12mg/kg以上の投与量で母獣の体重増加抑制と脳及び副腎重量の増加, F_1ラットの体重増加抑制と交配後の剖検において雌心重量の減少をもたらし, 75mg/kgで母獣の自発運動抑制, 肺及び下垂体重量の増加, F_1ラットに対しては死産仔の増加, 生後3日目生存率の低下, 耳介開展, 腹部毛生及び眼険開裂に至る日数の遅延, 10週齢時及び交配後の剖検における脳重量の減少を誘起したが, F_1ラットの学習能力, 運動能力, 運動性, 情動性及び生殖能には影響を及ぼさなかった. 一方, 2 mg/kgの投与量では親動物及びF_1ラットとも影響を受けないことが示唆されたため, 本試験における親動物及び次世代(F_1)に対するbuspironeの無影響量は2 mg/kg/日と考えられた.
- 1990-04-10
著者
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甲斐 修一
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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門田 利人
日本製薬工業協会基礎研究部会第一分科会統計ワーキンググループ
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近藤 博志
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
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河野 茂生
ブリストル・マイヤーズスクイブ(株)神奈川研究所
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門田 利人
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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近沢 弘隆
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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太田 敏
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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石川 克己
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
-
河村 寿
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ研究所株式会社 前臨床研究所
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石川 克己
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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河村 寿
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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近沢 弘隆
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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高橋 紀光
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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黒柳 幸司
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 前臨床研究所 毒性病理研究室
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