Hydrocortisone 17-butyrate 21-propionateの毒性研究 : 6. イヌの経皮投与における亜急性毒性試験
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概要
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HBP0.1%及び0.5%含有軟膏製剤を雌雄ビーグル犬に3ヵ月間連続経皮投与し, 亜急性毒性及びその回復性を検討し, 更に対照薬剤として HB0.1%及び0.5%, 並びにBV0.12%及び0.5%軟膏製剤を用い, HBPとの比較検討を行い, 以下の結果を得た。(1) 実験期間中, 死亡例は認められず, 3薬剤ともに塗布部皮膚の[ザ]瘡様変化, 被毛の発育抑制, 脱毛が見られ, また0.5%群では著明な体重増加とともに皮下脂肪織の増生, 腹部膨満等の肥満状態が観察された。(2) 摂食量, 摂水量が3薬剤の0.5%群で増加を示した。(3) 血液学的検査, 血液生化学的検査, 尿検査, 肝腎機能検査では, 3薬剤の0.5%群に好酸球及びリンパ球数の減少, 総コレステロール量, トリグリセライド量の増加, またHB及びBV群にGPT活性の上昇, BV群にAL-P活性の上昇が見られ, 更に3薬剤の0.5%群に尿量及び尿中K^+量の増加が認められた。(4) 剖検では皮下及び腹腔内脂肪織の増生, 副腎及び胸腺の萎縮, 胃出血等が用量依存的に観察され, 副腎及び胸腺では重量減少が認められた。(5) 病理組織検査では肝細胞の腫大, 副腎, リンパ系組織, 骨髄, 皮膚, 前立腺, 子宮の萎縮性変化及び下垂体鉛-ヘマトキシリン陽性細胞の消失が認められた。(6) HBPのイヌの3ヵ月間経皮投与による変化は, いずれもcorticosteroidsに共通的な変化を示し, HBPに特異的な毒性は認められないとともに, その変化はBVよりやや弱く, HBとほほ同等であった。また雌雄間の変化程度に差は認められず, これらの変化は可逆的なものであった。(研究期間 : 昭和53年1月〜昭和53年7月)
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1981-07-25
著者
-
戸門 洋志
新日本実業株式会社 東京研究所
-
中根 貞雄
大正製薬株式会社総合研究所
-
笹島 道忠
大正製薬株式会社研究部
-
筒井 良文
大正製薬株式会社 総合研究所
-
阪川 隆司
大正製薬株式会社 総合研究所
-
樽本 保男
大正製薬株式会社 総合研究所
-
大関 正弘
大正製薬株式会社 総合研究所
-
野田 克巳
大正製薬株式会社 総合研究所
-
戸門 洋志
大正製薬株式会社 総合研究所
-
大関 正
大正製薬株式会社 総合研究所
-
笹島 道忠
大正製薬株式会社総合研究所
-
樽本 保男
大正製薬株式会社 開発研究所
-
阪川 隆司
大正製薬総研
-
筒井 良文
大正製薬総研
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