酸性雨が水稲・麦類の光合成と収量におよぼす影響

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概要

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硫酸, 亜硫酸ともにpHの低下に伴なって, 見かけの光合成速度は減退し, 亜硫酸ミストの方が, 減少程度は大きかった.また, pHの低下につれて, 未登熟籾が増加し, 硫酸のpH1では不受精籾が著しく, また, 亜硫酸のpH1.25では未登熟籾が著しかった.これらが主因となって子実生産の低下を引き起こした.見かけの光合成速度の阻害では, 水稲>裸麦・小麦の順で, 子実生産の阻害では水稲>裸麦>小麦の順で, 水稲がもっとも高感受性であった.光合成阻害を引き起こすpHは裸麦では硫酸および亜硫酸ともにpH4以下で統計的にも阻害が明らかで, 水稲では硫酸が, pH4以下, 亜硫酸がpH3以下であった.子実生産への影響は, 水稲および裸麦ではpH3以下でみられ, 小麦では収量低下は明らかでなかった.
日本作物学会の論文
1979-03-31

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