塩素ガスによる作物および植物被害

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四日市第一コンビナートの日本ア***ヂル四日市工場の塩素流出事故による作物および植物の被害の実態を調査した。その結果次のように要約される。1.塩素ガスの流れた方向および被害の範囲は植物および作物の被害実態調査によって明らかに把握できる。2.作物、樹木、花卉および野草類の被害は発生源より直線で6km以上におよび、その被害程度は発生源に近いほど大で、発生源より遠距離になるにつれて、被害を受けた幅は拡大され最大で4km以上におよんだ。3.作物では、ソラマメが開花期に達しており、活動中心葉の被害が大であることから、ソラマメの減収はまぬがれず、収量皆無の地点が多かった。ソラマメは被害が明瞭であり、塩素ガスに高感受性で、発生源より17kmの地点でも被害が確認された。また、バレイショの減収も大きいものと推定される。4.樹木類では、サクラとモミジが比較的感受性が高いが、両者間ではサクラの方が被害が大きかった。5.作物および植物被害の実態調査から、事故当時の風向、風速にほぼ比例しているが、塩素は空気よりも重いことも関係して、河水および水田地帯等の低地をはうようにしながら、汚染の範囲を拡大していったものと考えられる。
日本作物学会の論文
1974-11-30

塩素ガスによる作物および植物被害

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