火山灰土壌下層土の床土利用とリン酸肥料の施用量が温室メロンの品質に及ぼす影響

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非腐植質の火山灰土壌下層土の床土利用に当たってリン酸肥料の施用量が温室メロンの生育と果実の肥大, 品質に及ぼす影響について検討した. 1) 火山灰土壌下層土は沖積土壌に比べて初期生育は劣ったが, 後期には差がなかった. またリン酸施用量の多いほど生育は良好であった. 2) 果実の重量は両土壌ともリン酸施用量を増すにつれて増大し, また果実の外観も良好となった. この傾向は特に火山灰土壌下層土で顕著であった. 3) 果実の糖度, 糖含量(sucrose, glucose, fructose)は, 火山灰土壌下層土では沖積土壌に比べて全般的に高かった. 沖積土壌ではリン酸施用量を増すにつれて糖度と糖含量は低下する傾向を示したが, 火山灰土壌下層土ではこの傾向は明確ではなかった. 4) 果汁中のクエン酸含量は沖積土壌に比べて火山灰土壌下層土が全般的に低く, しかもリン酸施用量を増すにつれて減少した. 5) 果実の水溶性のペクチンの含量は火山灰土壌下層土と沖積土壌の間には差はなく, リン酸多用区で減少する傾向を示した. 6) 果実の食味は火山灰土壌下層土は沖積土壌に比べて良好であったが, リン酸の極端な多用区ではやや劣った. 7) 植物体のリン酸含有率は沖積土壌に比べて火山灰土壌下層土は全般的に低く, リン酸施用量を増すにつれて高くなった. 以上の結果から火山灰土壌下層土を床土に利用する場合, 沖積土壌よりリン酸の施用量をほぼ2倍にする必要があることがわかった.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1987-02-05

火山灰土壌下層土の床土利用とリン酸肥料の施用量が温室メロンの品質に及ぼす影響

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