カルシウム濃度の異なる条件において,水耕液中のアンモニウム態窒素ならびに硝酸態窒素が作物の根の生育に及ぼす影響

元データ 1986-10-05 社団法人日本土壌肥料学会

概要

一般に本邦で栽培されている14種の作物を供試して,Ca濃度ならびに窒素源の異なる培地における各作物の生育を,とくに根部の生育に注目して検討し,以下の結果を得た。1)各窒素処理に対する作物根の生育は,Ca標準濃度(40ppm)の場合,カンピョウ,トウモロコシおよびソルガムがNH_4-N処理区で最も良好であり,他の作物はNH_4-N+NO_3-N処理区あるいはNO_3-N処理区で最も良好であった。Ca低濃度(4ppm)培地では,NH_4-N処理区で最も良好な生育を示した作物は認められなかった。2)NO_3-N処理区では,培地のCa濃度の高低にかかわらず,ほとんどの作物において根の相対生育量が60を上回り,また100を超える作物も多く認められ,NO_3-Nは根の生育に対して少なくとも不良な窒素源でないことが認められた。3)NH_4-N処理区において,全作物からみた場合,地上部の相対生育量とNH_4-Nならびに可溶性有機態窒素両含量との間に負の相関が認められたが,根の相対生育量と両窒素成分との間には一定の関係が認められなかった。4)NH_4-N処理区において,全作物からみた場合,根の相対生育量とK含量との間に正の相関が認められ,この処理区における作物個々のK吸収力の強弱が根の生育を規制する主な要因であることが示唆された。また,トウモロコシおよびソルガムは低Ca濃度のNH_4-N処理区でもK吸収力が強く,この培地ではCaの吸収力もしくはCaの地上部の移行率が悪いため,地上部のCa不足が作物全体の生育低下を招いた主要因の一つと推察された。5)NO_3-Nを含む培地で根の生育が良好となる主要因の一つは,NO_3-NがKの吸収を助けることにあり,この無機窒素の効果はCaのK吸収促進効果が充分働かない低Ca濃度培地で著しいと推察された。

著者

井上 興一 広島県立大学生物資源学部
横田 弘司 広島県立大学生物資源学部
山田 芳雄 九州大学農学部
山田 芳雄 前ipsa計画チームリーダー
横田 弘司 広島農業短期大学
井上 興一 広島農業短期大学
山田 芳雄 九大農学部

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