intactな水稲幼植物における炭酸の経根的同化と経葉的同化の産物の比較

元データ 1985-06-05 社団法人日本土壌肥料学会

概要

水稲における経根的同化産物と経葉的同化産物の相違点を明確にする目的で本実験を行った.明所条件下と暗所条件下で,intactな水稲幼植物に経根的に^<14>CO_2を与え,^<14>C-同化産物をカラムクロマトグラフ法とペーパークロマトグラフ法により分離同定した.^<14>C-同化産物の放射能量と与えた^<14>CO_2の比放射能をもとに,経根的同化産物の新合成炭素化合物の代謝での位置付けを試みた.1)経葉的再同化産物は,中世画分に最も多く存在した.経根的同化産物は,暗所下では大部分塩基性画分と酸性画分に存在したが,明所下では中世画分にも認められた.光合成的な同化を経葉的再同化と直接光合成の2つの面から考えると,30日苗では経葉的再同化量と直接光合成量とがほぼ等しく,45日苗では前者は後者の約2倍量であった.2)塩基性画分のなかで,経根的同化産物として特に多く存在したのがアスパラギンであったのに対し,経葉的再同化産物としては,グリシン,セリン,アラニンであった.3)酸性画分のなかで,経根的同化産物は,経葉的同化にくらべリンゴ酸,クエン酸に多く存在し,グリコール酸には少なかった.4)経根的同化アミノ酸の新たに生成されたアミノ酸全体に対する寄与は,アスパラギン+アスパラギン酸画分,グルタミン+グルタミン酸画分で高く,特に根で寄与率が高かった.また,根においては,リンゴ酸,クエン酸の寄与が高かった.以上のことから,経根的に吸収された炭酸はPEPカルボキシラーゼにより同化され,その同化産物が,根の有機酸・アミノ酸代謝において重要な役割を演じているものと考察した.

著者

山川 武夫 九大・農
山田 芳雄 九州大学農学部
山田 芳雄 前ipsa計画チームリーダー
山川 武夫 九州大学農学部
山田 芳雄 九大農学部
山川 武夫 九州大学農学研究院

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