高水温が水稲の葉と冠根の形態におよぼす影響
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概要
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水稲の葉および冠根の分化・発育時期に短期間(1〜3葉間期)の高水温処理(35℃)を行い, 成熟時における葉と冠根の量的形質におよぼす影響について検討した. 対照区の水温は30℃とした. 葉身幅と葉身長はいずれも高水温によって抑制されたが, その影響のもっとも大きい時期は両者で異なっており, 葉身長については, 出葉中の"要素"から数えて1つ高位の"要素"の葉で影響が著しく, 葉身幅についてはさらにそれより1つ高位の"要素"の葉で影響がもっとも大きかった. 葉鞘長についても高水温の影響は認められたが, その処理時期による差は必ずしも明瞭ではなかった. 冠根数については, 高水温の処理時期によって抑制, 促進の双方が認められ, 冠根の分化期では促進, その前あるいは後の時期ではむしろ抑制された. 冠根直径については, その分化期より前の時期では高水温は抑制的に働いた. 一方, 冠根の分化期以降では必ずしも明瞭ではなかったが, 上位根では促進, 下位根では抑制される傾向が認められた. このように, 葉および冠根の分化・発育程度の違いによって, これらの形態に対する高水温の影響は著しく異なることが示唆された.
- 日本作物学会の論文
- 1992-09-05
著者
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