チャ越冬葉の低温による光合成阻害部位
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概要
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チャ越冬葉の低温による光合成阻害部位を解析するために, a)ポッット植えの1年生苗を温度制御できるチャンバーに入れ, 冬季間, 昼/夜温;5/10℃(自然光)で育て, ほ場で生育した茶樹と光合成能を比較し(第1図, 2図), b)また, 明下(12klx), 12℃の低温処理が光合成能に与≠える影響を検討した(第3〜5図, 第1表). 2つの温度処理実験の結果, 光-光合成曲線の初期勾配と光飽和のヒル反応活性は光合成速度と対応して変化したが, 可溶性タンパク質とフラクション-1タンパク質量, リブロース-1, 5-ジリン酸カルボキシラーゼ活性およびCO_2-光合成曲線の初期勾配は光合成速度の変化とは対応しなかった. つぎに, 低温処理した葉から葉緑体(タイプC)を単離してその光化学反応を測定した. 系I活性(Asc/DPIP→MV)は対照の90%の活性を保持していたが, 系II活性(H_2O→PD→MV)は約70%に低下した(第2表). 以上の結果から, 光合成の低温阻害は光合成明反応, とくに系IIの抑制によることが示唆された.
- 日本作物学会の論文
- 1986-12-05
著者
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