老化促進モデルマウス (SAM) の系統維持

概要

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京都大学胸部疾患研究所から分与を受けた老化促進モデルマウスSAM-R/1およびSAM-P/8の2系統について, その特徴的な性状を調査するとともに, 当施設における平成2年11月現在の維持・管理状況をまとめた. 1. 両系統マウスはともにF-4代に至っており, この間, 順調に維持されている. 2. 妊娠期間や産仔数 (リッターサイズ) には, 両系統間で有意な差はなかった. 3. 30週齢での脱毛程度や50週齢での脊椎湾曲程度には, 個体差があるものの, 両系統間で差が見られた. 4. 平均寿命は, SAM-P/8系マウスで短縮していた. 5. 両系統マウスの20週齢時の学習能力をステップ・ダウン型一試行性受動的回避学習実験法で調べたところ, ステップ・ダウン潜時はSAM-P/8系マウスで明らかに短縮していた. 以上の内容は, 私たちの維持・管理しているSAM-R/1系およびSAM-P/8系マウスが, サブラインとして安定した性状を維持していることを示している. したがって, 今後これらマウスを有用な実験材料として供給することが可能であり, 老化機構の解明に貴重な試料となり得ることを示している.
大阪歯科学会の論文
1991-02-25