老化促進モデルマウス (SAM) 肝GOT活性の細胞内局在とアイソザイムにみられる老化特徴
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概要
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促進老化を示すSAM-P/8//ODU (以下, P系と略記) とその対照であるSAM-R/1//ODU (以下, R系と略記) の7, 17, 27および37週齢時の肝からGOTを抽出し, その活性発現, 細胞内小器官における活性分布およびアイソザイムパターンにみられる加齢変化を血清GOTと比較しながら検討し, 老化現象の特徴を追究した. その結果, 1) P系では, 17週齢以降加齢に伴って血清総タンパク量と肝の体重比が減少した. 2) 肝GOT活性は, 両系統とも7週齢で最高値を示したのち低下し, GOT/GPT比は27週齢でGOT=GPTに達したのち, 37週齢ではGOT<GPTに反転するとともにP系ではその解離が大きくなった. また, 血清GOT活性は肝より変動が少なかったが, P系の37週齢ではGOT/GPT比の解離が大きくなった. 3) 肝GOTの細胞内分布は, 両系統とも加齢に伴ってミトコンドリアと細胞質上清画分では増加, リソゾーム画分では減少を示したが, 肝GPTの変動は少なかった. 4) 肝のミトコンドリア画分と細胞質上清画分に出現したGOT-IとGOT-IIのアイソザイムの分布率は, 加齢に伴ってP系で大きく変動した. 血清GOTは両系統ともGOT-IIのみから構成され, 加齢変化は示さなかった. 以上のGOTについての所見から, 37週齢のP系の肝では細胞の変性あるいは膜透過性の亢進が起こっていることが示され, それは促進老化に伴う加齢変化であることが推測された.
- 大阪歯科学会の論文
- 1991-10-25
著者
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