ピレスロイド系殺虫剤サイパーメスリンの土壌中での分解と溶脱
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ピレスロイド系殺虫剤サイパーメスリンのシスおよびトランス異性体のシクロプロパン環もしくはベンジルフェニル環を^<14>Cで標識した化合物を用いて, 土壌中での分解と溶脱について検討した.トランスおよびシス異性体を2種類の土壌に1ppmの割合で添加して好気的畑地条件に保つと, 消失半減期がそれぞれ4.1∿17.6日, 12.5∿56.4日の速度で分解した.主な分解経路はエステル結合の加水分解で, ほかにジフェニルエーテル結合の開裂, フェニル環の水酸化, シアノ基の加水分解をうけ, 生成した分解物はさらにCO_2まで分解したりbound ^<14>Cを形成した.^<14>CO_2は, シス異性体より分解の速いトランス異性体から, またシクロプロパン環^<14>C標識体よりフェニル環^<14>C標識体からより多く生成した.一方, bound ^<14>Cはシス異性体およびシクロプロパン環^<14>C標識体からより多く生成した.有機物含量が0.1%以下で粘土含量が1%以下の武庫砂の場合には, 処理直後に溶脱を行なうと溶出液に微量のサイパーメスリンが検出されたが, 他の土壌の場合には, 処理直後および30日間インキュベート後にかかわらず, 溶出液中にはサイパーメスリンは検出されなかった.
- 日本農薬学会の論文
- 1986-02-20
著者
-
三上 信可
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
-
宮本 純之
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
-
松田 正
Laboratory Of Biochemistry And Toxicology Sumitomo Chemical Co. Ltd.
-
三上 信可
Environmental Health Science Laboratory Sumitomo Chemical Co. Ltd.
-
坂田 信以
Environmental Health Science Laboratory, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
-
坂田 信以
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
-
宮本 純之
Biochemistry and Toxicology Laboratory, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
-
坂田 信以
Environmental Health Science Laboratory Sumitomo Chemical Co. Ltd.
-
宮本 純之
Biochemistry And Toxicology Laboratory Sumitomo Chemical Co. Ltd.
関連論文
- 植物成長調節剤 uniconazole (ES pure) の構造研究とコンピュータによるチトクローム P-450 との相互作用の考察
- (RS)-(E)-および (RS)-(Z)-1-(2, 4-Dichlorophenyl)-4, 4-dimethyl-2-(1, 2, 4-triazol-1-yl)-1-penten-3-ols のラットにおける代謝
- 除草剤 bromobutide の水中における光分解
- Esfenvalerate のラット, マウスでの代謝および他の異性体の esfenvalerate の代謝に対する影響
- ピレスロイド系殺虫剤 d・d-T80-prallethrin のラットにおける1年間摂食慢性毒性試験
- フェンバレレート(スミサイジン^[○!R])の水中および土壌表面上における光分解
- フェニトロチオンの水中および土壌表面での光分解と水中での加水分解
- ブルーギルにおけるプラレスリンのエステル代謝物のタウリン抱合化
- 殺菌剤ジエトフェンカルブの土壌中での分解と溶脱
- ピレスロイド系殺虫剤光学異性体の土壌微生物による分解