Phenothrin 6 立体異性体のラットおよびマウスにおける比較代謝
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概要
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Phenothrin[3-phenoxybenzyl(1RS, trans/cis) chrysanthemate]の[1R, trans]-, [1RS, trans]-, [1S, trans]-, [1R, cis]-, [1RS, cis]-および[1S, cis]-異性体のアルコール側^<14>C標識体を10mg/kgの割合でラットおよびマウスに1回経口投与すると, いずれの異性体についても^<14>Cは投与6日以内にほとんど完全に両動物体内から消失し, かつ^<14>C組織残留レベルもきわめて低かった.両動物種において^<14>C排泄率および^<14>C組織残留レベルについて[1R, trans]-および[1RS, trans]-異性体間, および[1R, cis]-および[1RS, cis]-異性体間にはそれぞれほとんど差は認められなかったが, 両動物種ともに[1S, trans]-および[1S, cis]-異性体については^<14>C排泄率がそれぞれ他のtransおよびcisの光学異性体とは若干異なった.両動物種ともに^<14>Cはtrans体では糞より尿に, 一方, cis体では尿より糞に多く排泄された.N-3-Phenoxybenzoyltaurineがマウスだけに認められた以外は尿および糞中代謝物は両動物種間でほぼ共通していた.両動物種ともにエステル結合の開裂した代謝物はcis体よりもtrans体のほうに多く検出され, 一方, cis体からはtrans体よりも多くのエステル結合を有する代謝物が検出された.エステル結合の開裂および4′-位の水酸化はマウスよりもラットのほうで多く起こったが, 両動物種ともに[1S, trans]-および[1S cis]-異性体はそれぞれ他のtrans体およびcis体の光学異性体よりもエステル結合の開裂をやや受けやすい傾向が認められた.以上のように, 6異性体の生体内挙動については両動物種ともに[1R, trans]-と[1RS, trans]-体間, および[1R, cis]-と[1RS, cis]-体間にはそれぞれ実質的な差は認められなかったものの, [1S, trans]-および[1S, cis]-異性体はそれぞれ他のtrans体およびcis体の光学異性体とはエステル結合の開裂の程度がやや異なっていた.
- 日本農薬学会の論文
- 1984-05-20
著者
-
宮本 純之
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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松尾 昌季
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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泉 敏彦
Laboratory Of Biochemistry And Toxicology Takarazuka Research Center Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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金子 秀雄
Laboratory of Biochemistry and Toxicology, Takarazuka Research Center, Sumitomo Chemical Co., Ltd.
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宮本 純之
Biochemistry And Toxicology Laboratory Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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