食物クロロフィルの熱安定性
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概要
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食物クロロフィルの熱安定性の研究中、クロロフィルaとクロロフィルbの安定性の違いについて詳細に検討し、以下の結果を得た。1)ホウレンソウの凍結乾燥粉末を100℃および120℃で測定した場合、クロロフィルaの方がクロロフィルbよりも安定であった。2)ホウレンソウの溶媒抽出液膜を、明所および暗所で、65℃、75℃、85℃で測定した場合、クロロフィルbの方がクロロフィルaよりも安定であった。3)ホウレンソウ、チンゲンサイ、ピーマンの80%アセトン抽出液を室温にて保存した場合、クロロフィルbの方がクロロフィルaよりも安定であった。4)ホウレンソウの80%アセトン抽出液に添加剤を加えた場合、β-シクロデキストリンやL-アスコルビン酸の存在下ではクロロフィルaの方がクロロフィルbよりも安定であったが、反対に、乳酸マグネシウムの存在下ではクロロフィルbの方がクロロフィルaよりも安定であった。また、β-カロチン、レチニルアセテート、またはα-トコフェロールの存在下ではクロロフィルbの方がクロロフィルaよりも安定であった。5)寒天中にホウレンソウ凍結乾燥粉末と添加剤を保存した場合、リボフラビンやコール酸の存在下ではクロロフィルbの方がクロロフィルaよりも安定であったが、反対に、L-アスコルビン酸、β-カロチン、レチニルアセテート、またはα-トコフェロールの存在下ではクロロフィルaの方がクロロフィルbよりも安定であった。
- 1990-02-20
著者
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倉田 元子
実践女子大学
-
表 美守
実践女子大学
-
倉田 元子
実践女子大学家政学部食物学科栄養化学研究室
-
表 美守
実践女大 家政
-
石井 智恵美
実践女子大学家政学部食物学科栄養化学研究室
-
奥村 江理子
実践女子大学家政学部
-
石井 智恵美
文教大学教育学部
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