EEGアルファ波バイオフィードバックの痙性斜頸への応用
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概要
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痙性斜頸はその病因が単一でなく, またその全てが解明されていないため, これまで多種多様のアプローチにより治療され改善したことが報告されている。その中で, 最近ではEMGバイオフィードバックが主流になっているようである。本症例は痙性斜頸を呈した26歳独身男性で, EMGバイオフィードバックを施行する前に, EEGアルファ波バイオフィードバック療法を試みたので, その臨床経過を報告する。 症例は心因を契機として発症した左上方を向く痙性斜頸で, 向精神薬による効果が得られないためバイオフィードバック療法に導入した。C_3-O_1、から導出した脳波のうちアルファ波成分を抽出し, その積分値が一定値以上のとき250ヘルツの純音をフィードバックした。症例は, 300秒間の訓練と200秒間の休憩を交互に4同ずつ繰り返したものをユセッションとして, 計10セッションの治療を受けた。その結果アルファ波増加に伴い, 頸部筋に由来する表面筋電図の振幅が減少した。症例は3回目のセッションが終了する頃には「アルファ体験」を自覚し, 10回目までには少なくとも訓練中の斜頸症状は消失した。その後, 前額筋および胸鎖乳突筋を用いたEMGバイオフィードバックにより日常生活でも斜頸症状は完全に消失した。 本症例を通して, アルファ波バイオフィードバックが痙性斜頸に対して「間接的」に有効であることが示されたが, 「直接的」訓練すなわち胸鎖乳突筋を用いたEMGバイオフィードバックと組み合わせることにより, さらに効果的になることが示唆された
- 1988-10-01
著者
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