情報処理能力育成は、情報受理教育から : 打てば響く若者の潜在能力を信じて(実践報告)

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コンピュータの出現により、現代社会は高度情報通信社会といわれるようになった。学校教育現場にも機器が導入され、「情報教育いかにあるべきか」という議論も起き出している。コンピュータリテラシー教育に始まったその議論・実践は現在、情報検索・情報選択・情報発信教育といった流れにあるように見られるが、それらの動きにいささかの危惧を感じる。コンピュータの存在のいかんによらず、学生個々の情報処理能力の育成が本来の教育目的ではなかったのか。それを軽視し知識の切り売りに邁進してきた教育界は今、コンピュータの使用という目的のために、情報検索・選択・発信の技術教育を始めようとしているのではないか。「情報処理能力育成は、客観的多面的に適量な情報を受理することにより始まる」という基本がいまこそ確認されるべきだと思う。現代情報化社会は「手を伸ばせぱ多面的な情報を得ることができる」という、近代史に残る社会を実現している。この恩恵の意味するところは重い。シッカリとした情報受理の上に立った認識は、個々人のアイデンティティに裏付けられた情報形成を生み、責任ある情報発信へと繋がる。実践報告を通し、情報受理リテラシーの再考を提言する。
日本教育情報学会の論文
1998-08-03

情報処理能力育成は、情報受理教育から : 打てば響く若者の潜在能力を信じて(実践報告)

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