わが国の看護研究にみるクオリティ・オブ・ライフ(QOL)研究の現状と課題

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
本稿では,わが国の日本学術会議学術登録団体から発行されている看護学会誌を主な対象誌とし,過去10年間(1988〜1997年10月まで)に収載された23原著論文においてQOL研究がどのようになされているかを紹介した。あわせて,QOL研究の課題を検討した。その結果,研究者が自己のQOLを定義していたものは23文献中17件であり,患者の主観的評価に基づく研究がほとんどであった。さらに,健康指標だけでなく,身体機能を含む包括的なQOLを扱った研究が半数を占め,医学におけるQOL研究と大きく異なることが明らかになった。しかし,Thomasらが提案するQOL研究の評価基準を満たすには課題が残されていた。今回分析した研究の多くは,特定領域の患者を対象としてQOLの構造とその関連要因を明らかにしたものであった。今後は,今までに明らかにされた研究成果を活用し,介入および介入の成果の研究に積極的に取り組んで行く必要があることを指摘した。
順天堂大学の論文
1998-03-29

著者

青木きよ子
順天堂医療短期大学

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク