サメ筋肉における耐熱性アルカリ性プロテイナーゼ(HAP)の存在
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概要
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1.サメ筋肉の粗抽出液を用いて,サメ筋肉における耐熱性アルカリ性プロテイナーゼ(HAP)の存在を検討した. 2.本粗抽出液によるカゼイン氷解の最適pHは8.0.また,pH8.0,1時間反応における最適温度は55℃であった.しかし,一般の動物組織内の酵素と異なり,40℃以下では活性はほとんど認められなかった. 3.本活性の熱安定性は,従来のHAPに比べて劣ったが,他の筋肉プロテイナーゼよりはるかに安定で,50℃では60分後もほとんど失活しなかった. 4.本活性は,尿素(3M)の共存下では,30℃においても高い活性を示した. 5.阻害剤の影響から,本活性はシステインプロテイナーゼに基づくものと考えられた. 6.本活性はATPおよびその関連化合物により阻害された. 7.以上の諸性質は,HAPのそれらと一致した.この事実から,サメ筋肉にも温度的性質の多少異なる,HAPが存在すると考えられた.
- 1988-03-20
著者
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