青果物の卸売価格の短期予測に関する研究(第4報) : イチゴの7日,30日先の卸売価格の予測

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前報までに得られた知見をもとに7日と30日先のイチゴの卸売価格の予測を試みた。分析方法は,前報と同じ変数増減法による重回帰分析法の他にカルマンフィルターの適用も試みた。主な結果は次の通りである。1.重回帰分析による予測式において,7日後,30日後の価格の推定精度は,重相関係数で0.759,0.739であったが,値動き(移動平均値)の予測では,0.922,0.896と高くなった。一方,カルマンフィルターを用いて1年先までの価格を予測したところ,相関係数が0.521で推定精度は低かった。この方法による精度向上のためには,予測期間を短くするなどさらに改善の必要があろう。2.需給動向及び価格変動に強く影響を与える要因は,入荷量,過去の価格動向などの市況情報から得られる要因であった。3.年間の価格推移は,冬期から春期までは比較的安定した動きを示すが,入荷番の少なくなる夏期及び秋期では非常に激しい変動を呈し,この時期の価格予測を困難なものとしている。また,12月のクリスマス需要期には特殊な価格変動がみられる。4.1976〜1983年の入荷量の年次動向は,はっきりとした増加基調を示し,一方,価格の年次動向はほぼ横ばいと近年のイチゴの需要及び作付の増加を裏づける結果となった。5.入荷量の時系列パターンは,おおむね3月を最高,8月を最低とする逆S字カーブを描く低価格の時系列パターンは,年によって大きく異なり,76,77,81,82,83年では8〜9月をピークとする山型となったが,75,78,79,80年では7月と10月の2つのピークがみられ,8〜9月には大きな落ち込みがあらわれた。
岐阜大学の論文
1987-01-10

青果物の卸売価格の短期予測に関する研究(第4報) : イチゴの7日,30日先の卸売価格の予測

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