高圧蒸気利用によるカキ果実の自動剥皮装置の開発

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加工用青果物はその生産者手取りの安さに驚かされることが多い。本研究では,カキ果実をとりあげて加工分野を拡大するとともに,生産者サイドで加工原料として付加価値を高めることを期して,剥皮方法について検討した。剥皮原理は,圧力容器に青果物を入れ,これに高圧の水蒸気を封入して一定時間(数十秒まで)加熱加圧した後,瞬間的に常圧の状態に戻すと,皮層部分に爆発的沸騰が起こって皮層部分のみがきれいに剥離されるものである。この原理からわかるように,皮層部分に水分を保有したもの,あるいは水蒸気が容易に浸透するものすべてに適用できる。このとき問題となる点は,必要以上に青果物を高温の水蒸気にさらすのは好ましくなく,青果物の種類によって,最適な圧力と時間を見出すことが重要である。実験の結果,カキ果実(富有)には,5 kg/cm^340秒が最適剥皮条件であるとされた。このときの温度変化は,初期品温10.1℃,水蒸気温度143.7℃に対して,40秒後の果実の中心,表皮下及び平均温度はそれぞれ10.1,109.8,14.2℃であった。表面から約3mmの表層に水蒸気の浸透による変色層が認められた。品質上からはさらに高い圧力下で短時間処理することが,より好ましいと推測された。
岐阜大学の論文
1983-12-15

高圧蒸気利用によるカキ果実の自動剥皮装置の開発

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