介護老人福祉施設職員のターミナルケアに関する意識とそれに関連する要因の分析
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概要
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本研究は「介護老人福祉施設におけるターミナルケア」を考えるために、直接処遇職員1002名(介護職員858名)を対象に、そのターミナルケア意識や職場状況、介護技術などを調査し、ターミナルケア意識に関連する要因を分析したものである。 施設での、ターミナルケア続行に肯定的な意見は80%近くあった。一方、病院への転送が当然という考えは15%であった。こうしたターミナルケアの考えには、「死の看取りの経験」と、「職場のカンファレンスの有無」の因子が関連していることがわかった。技術面では、「食事の工夫」「安楽な呼吸のためのマッサージ」など、より高度な介護技術と、「アセスメント力」の不足が推察された。介護老人福祉施設におけるターミナルケアを考えるとき、ターミナルケアを「医療ケア」ととらえるのではなく、老年者の死は自然のことであり生きる延長上にひろがるものである、という「生活モデル」からの死の看取りの視点が、これから重要となってくる。
- 2003-03-10
著者
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柄澤 清美
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
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柳原 清子
新潟青陵大学看護学科
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柄澤 清美
新潟青陵大学看護学科
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柳原 清子
東海大 健康科学
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柳原 清子
新潟青陵大学 看護学科
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柳原 清子
新潟大学医学部保険学科
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