健康女性の腸音と便秘評価との関係

概要

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揚音と排便習慣との関係を65名(24.8±7.6歳)の健康女性で検討した.ベッド臥床させた被験者の腹部皮膚上にマイクロフォンを装着して, 心音計で揚音を記録し, 1分間当たりの腸音数をスパイクカウンターで計測した.この方法で記録すると, 比較的大きな, 高頻度かつ高密度の揚音は, 聴診器できいた揚音によく対応していた.揚音出現数は臥床直後は少なかったが, 30分後まで徐々に増加し, その後安定する傾向がみられた.揚音測定当日に排便のなかった者(ST-CAS平均得点5.6,n=9)の揚音出現頻度は, それまでに排便があった者(平均ST下CAS得点1,8,n=56)より有意に低かった.しかし, 常習便秘者の揚音出現頻度はそうでない者と比較して低いとは言えなかった.このことから揚音は測定時点での腸蠕動状態に対応するもので, 個人の排便習慣を必ずしも反映するものでないことが明らかになった.本研究で得られた知見を, 聴診器による腹部症状のアセスメントを実施する際, 看護者が活用することを期待する.
川崎医療福祉大学の論文