<原著>音の吹鳴パターンによる看護者の警報認識

概要

論文の詳細を見る
医療職者が警報と認識し, かつ周囲への不快感が少ない音を探索するために, 看護者が警報音と認識するのはどのような音か, そして音への印象に看護者の属性がどのように影響を及ぼすのかを明らかにする目的で本研究を行った.被験者は, 承諾の得られた聴覚障害のない, ICU・NICUで勤務している看護者42名とそれ以外の病棟等に勤務する看護者40名の計82名であった.実験に用いた報知音は, 「吹鳴」「断続」「連続回数」「長期休止時間」「吹鳴と断続を繰り返す周期速度」を組み合わせて6パターンを設定した.音質は楽器音(ピッコロ音)でE音を使用した.実験的報知音を被験者に提示し, 切迫性に関係する8項目と快適性に関係する2項目をVisualAnalogueScale(VAS)を用いて, 音の印象を評価させた.その結果, 報知音の中に緊急警報, 警戒警報, 注意報と認知される音があった.そして, 緊急警報と認知された音の中に, 不快感を感じさせにくい音が存在することが明らかとなった.また, ICU・NICUの看護者はそれ以外の看護者より, 患者の緊急性を警報音で判別できやすいということが明らかになった.
川崎医療福祉大学の論文
1999-12-25