行動空間分析法の信頼性に関する研究 : 分析単位時間の検討を中心として
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概要
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本論文は障害児の治療や教育をより効果的に進めるために開発された行動空間分析法の精度を高めるため,特に,信頼性に関する検討を中心にまとめたものである。本分析法は「行動を流れにおいてとらえること」,および,「関係的脈絡の中で子どもの表出行動をとらえること」の2点を重視している。ここでは,本分析法の実用化にむけて,どの程度の分析時開帳が許容されるか,その臨界域を明らかにすることを目的とする。 本論文では3つの側面から分析単位時間の検討が行なわれている。(1)では,対人関係行動のみについての分析であれば分析単位時間10秒,15秒の分析でも有効であるがI型からVI型までのすべての関係カテゴリーについての分析では分析単位時間5秒が望ましいという結果となった。(2)では,指導内に関係のあった両者の対応性について検討したが,対応性についての割合から考えると分析単位時間の延長は10秒が限界であるという結果となった。(3)では,分析不能(N.A.)となったものの内容分析を通して分析単位時間の検討がなされた。そこでは,行動空間の分割や,どのような指導法によるかといった限定付きで分析単位時間の延長は可能となるが,あらゆる条件に対応して行動空間を捉えられる分析単位時間は5秒であるという結果となった。以上の結果から,限定付きでの分析単位時間の延長は可能であるが,あらゆる条件に対応できる分析法を目標とすると,行動空間分析法の分析単位時間は5秒を基本にすることが望ましいといえよう。
- 北海道教育大学の論文
- 1989-03-11
著者
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