広葉樹散孔材 6 樹種の要素成長と要素率(生物資源科学科)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
木本植物二次成長量の測定には破壊的な方法が採られるが, 同一の部位で測定できない欠点がある。成長量の無破壊的な測定法の確立が期待されている。広葉樹散孔材の樹種について, 成長量を成長の終った材部から得たデータによって推定する方法を検討する目的で, 構成細胞の面積率, 直径について基礎的な検討をした。最初に道管の直径は早材, 晩材など成長速度によって変化する。道管の直径と面積率との関係を検討し, 直径が変化しても面積率が一定である樹種, 直径が一定で面積率が変化する樹種, 直径と面積率とは比例関係にあり, 両者の中間の樹種を確認した。また面積率は要素の相対的な成長量を示す指標になると考え, 面積率を検討した。放射柔細胞の面積率は一定しており, 成長速度との関係はなかった。木部の主要な構成要素である道管と木部細胞の面積率には, 負の相関が認められた。道管の面積率変化量の大部分は木部繊維の成長量の変化で補われていることが結論された。
琉球大学の論文
1994-12-01

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク