Studies on Muscular Strengths of Neck and Trunk in Wrestlers (〔東海大学〕体育学部創設10周年記念)

概要

論文の詳細を見る
等尺性筋力計を用いて, レスリング選手, 一般学生の頸部, 体幹部の筋力を測定し, 次のような結果を得た。1.一般学生の体幹部筋力では背筋力が最も大きいが, レスリング選手では, 全筋力ともに約2倍の値を示し, 体幹部筋力の方向性が多様化していた。2.頸部筋力の発達も同様の傾向にあったが, 前方屈筋はきわめて小さいことがわかった。頸部の筋力は, 体幹部筋力の約2分の1であった。3.各筋力の相関では, 体幹前屈(腹筋), 後方伸展(背筋)と左右の体側屈筋の相関は0.5∿0.7で有意であった。頸部では, 前方屈曲筋力と左右の頸側屈筋力との間に0.5∿0.7の相関があった。さらに体幹筋力と頸部筋力の相関は, 左右の屈曲で0.35∿0.43,後方伸展と頸部の左右屈曲で0.3∿0.45であった。4.各部最大筋力とそれらの瞬発力との間にはr=0.6369の相関があった。しかし頚部筋力の発達は30∿40kgに制限されていた。5.レスリング選手の筋力発達は, 体重, 経験年数より学年別筋力群で有意な発達を観察できた。この傾向は体幹筋群のいずれにも認められた。