葉および種子の脂質 IV : 植物リパーゼの活性と脂質(農芸化学部門)
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概要
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植物リパーゼが有機溶媒による脱脂によって活性低下を起こしやすい現象について, ヒマシリパーゼを試料として検討を行なった。ヒマ種子を直接有機溶媒で処理して脱脂したものでは通常リパーゼは完全に失活する。しかし緩衝液を用いて抽出した粗酵素液から, 注意して冷エーテルまたは非イオン界面活性剤で結合脂質を除去してゆくと, 酵素中の脂質含量の減少とともにリパーゼ活性は低下するが, なお活性は残存し, これに抽出した脂質を添加すると活性はかなり回復する。このリパーゼ活性発現に必須の脂質はアセトン可溶性の中性脂質部にあり, 特にリシノール酸を含むトリグリセリドに顕著な効果が認められた。したがってヒマシリパーゼは脂質-タンパク質複合体として酵素作用を発揮するものと考えられる。
- 京都府立大学の論文
- 1969-10-15
著者
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