卵黄レシチンのハブ毒およびすい臓リパーゼによる酵素分解について(農芸化学部門)
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概要
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卵黄レシチン分子における脂肪酸の分布の解明に利用する目的で, ハブ毒レシチナーゼAおよびすい臓リパーゼ製品(ステアプシン)中のレシチナーゼを用いて同レシチンおよびリゾレシチンの酵素分解を行ない, 生成物を調査した。ステアプシンはレシチナーゼAまたはBとしての作用を有すると同時にレシチナーゼD(ホスホリパーゼC)としても働き, ジーおよびモノグリセリドを生成する。またこの際脱離する脂肪酸は飽和酸が多く, ハブ毒レシチナーゼAによつて脱離する脂肪酸がほとんど不飽和酸であるのと対照的であり, 両酵素のエステル結合切断位置が異なることを示唆している。その他蛇毒で生成したリゾレシチンの酸化反応や, すい臓リパーゼのグリセリド分解における特性などから考えて, 少なくともハブ毒レシチナーゼAの作用点もグリセリル基のβ-位置を主とするものと推定できる。
- 京都府立大学の論文
- 1962-09-01
著者
-
森田 拓郎
京都府立大学農学部生物化学研究室
-
野田 万次郎
京都府立大学農学部生物化学研究室
-
野田 万次郎
Contribution From The Biochemical Laboratory Saikyo University
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