C型慢性肝炎インターフェロン療法における循環器系副反応の検討
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概要
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C型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFN) 療法の循環器系副反応を検討した. 123例のC型慢性肝炎患者に対し, IFN療法前後に心電図 (ECG), 心臓超音波検査 (UCG) を行い, 心筋障害の指標として, CPK, CPK-MB, ミオシン軽鎖を測定した. ECGでは不整脈の出現, PQ間隔の延長, ST変化等を認めた. UCGでは左室の拡張, %FSの低下, A/Eの変化を認めた. これらの変化の出現率は約15%程度であった. CPK, CPK-MB, ミオシン軽鎖の上昇はそれぞれ6.7%, 5.2%, 13.0%の症例にみられた. IFNの投与期間, 投与量による副反応出現率の差はみとめなかった. 自覚的に重篤な症状を呈した症例はみとめず, IFN投与の中止を余儀なくされた例もなかった. 以上より, C型慢性肝炎に対するIFN療法においては重篤ではないが, 比較的高率に循環器系に対する副反応がみられ, 基礎に心疾患, 糖尿病を有する例などでは厳重な観察が必要であると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 1997-04-25
著者
-
内藤 雅文
大阪厚生年金病院内科
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田中 好男
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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柏木 徹
大阪厚生年金病院内科
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石橋 一伸
大阪厚生年金病院内科
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東 正祥
大阪厚生年金病院内科
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長澤 昌史
大阪厚生年金病院内科
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伊藤 彰彦
大阪厚生年金病院内科
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外山 隆
大阪厚生年金病院内科
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田中 好男
大阪厚生年金病院内科
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尾崎 晋一
大阪厚生年金病院内科
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田中 好男
大阪南医療センター消化器科
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柏木 徹
厚生団 大阪厚生年金病院
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