初発肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法後の異所再発に関する予測因子の検討
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概要
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初発肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法(RFA)による根治術後の異所再発に関する予測因子を検討した.当科にてRFAを用いて根治術を施行し,再発予防治療を施行せず,局所再発なく経過観察できた初発肝細胞癌患者56例を対象とした.17例で異所再発を認め,累積異所再発率は1年で12.0%, 2年で36.3%, 3年で53.5%であった.腫瘍多発群は単発群に比し4.78倍(p=0.01),血小板値10.0×104/μl未満群は10.0×104/μl以上群に比し5.25倍(p<0.01)再発率が高かった.報告されている外科的切除後の異所再発率と差がなく,外科的切除でも血小板低値群や腫瘍多発群は高異所再発群として報告されていることを考えると,再発予防治療が確立されるまでは,安全にRFAにて根治可能な病変であれば残存肝機能の観点から血小板低値群や腫瘍多発群はRFAを積極的に選択されるべきではないかと考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2006-04-25
著者
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中西 文彦
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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疋田 隼人
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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田中 好男
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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重川 稔
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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向井 香織
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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中村 佳子
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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宋 昌浩
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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巽 理
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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井上 祐子
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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笹川 哲
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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増田 栄治
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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肱岡 泰三
独立行政法人国立病院機構大阪南医療センター消化器科
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宋 昌浩
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター消化器科
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田中 好男
大阪南医療センター消化器科
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