高等学校における特別支援学校分校・分教室等設置に関する研究 : 全国都道府県教育委員会調査を通して
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概要
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本研究の目的は,全国の都道府県教育委員会調査により,昨今急増しつつある高等学校における特別支援学校分校・分教室等設置の進展状況,設置の意義や問題点,取り組みについての課題等を把握し,検討することにある。調査研究の結果から,①実施都道府県が2004年の2から2010年の16へと増加したこと,②分校・分教室の設置においてインクルーシヴ教育推進という意義が重視されていること,③分校・分教室の設置において施設・設備の不十分さが指摘されていること,④分校・分教室の設置が教諭,保護者,生徒に肯定的な変化や影響を与えていること,等が明らかとなった。また,管理職のリーダーシップの必要性,設置基準や教職員定数の配置等の法整備の必要性が示唆された。「公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律」の整備によっては,81条学級(特別支援学級)の設置が可能となるが,これらの動向を踏まえ分校・分教室等設置の進展,関連する法整備に関して注意深く見守っていく必要がある。The purpose of this research was to investigate the present situation and the issue of setting branch school or branch class of special needs school for students with disabilities in high school. We sent the questionnaires to 47 prefectural boards of education and 36 questionnaires (76,6%) were returned.The result of the questionnaire was as follows. 1) the number of setting branch school or branch class of special support school for students with disabilities in high school increased from 2 prefectures (by the research of the year 2004 ) to 16 prefectures(by our research of the year 2010) , 2) the significance of inclusive education was regarded as important , 3) the insufficiency of the institution and facilities was pointed out , 4) the good influence on teachers, students, and parents was pointed out , 5) the necessity of the managerial leadership in these schools was suggested , 6) the necessity of the law maintenance of a setting standard or the fixed number arrangement was suggested. By the preparation of " Act on Appropriate Location, Standards for Fixed Number of School Personnel and Other Matters Related to Public High Schools ", it will be possible that the class of the 81 lines (the special needs class) is set in high school. We have to watch carefully the development of setting branch school or branch class of special needs school for students with disabilities in high school and the preparation of the law based on this trend.
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