固有感覚認知の影響因子に関する研究 : 筋伸張が関節位置覚認知に及ぼす影響

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本研究目的は、関節運動を行う上で、非常に重要な情報源である固有感覚入力が、何らかの因子によりその認知のされ方が質的、量的に影響を受けるとする経験上の現象を検証することにある。特に本研究では全国車椅子バスケットボール選手300名からの「筋伸張がその後の競技パフォーマンスに影響を及ぼす」とするアンケート結果から、筋伸張が関節位置覚の感覚受容に、どの程度影響するのか、またその影響がどの程度の時間継続するのかを調査することにした。調査は、肘関節と膝関節で実施した。いずれの関節においても左側の関節を一定角度に固定し、その際の右側関節での模倣再現角度で関節位置覚認知の程度を検出した。筋伸張は、肘関節では上腕二頭筋を、膝関節ではハムストリングスをその対象として実施した。最終的に、筋伸張実施の有無でその再現角度にどの程度の影響を生じるのか、またその影響が1分、5分、10分、15分と、どの程度の時間まで影響するのかを調査した。結果として、筋伸張が関節位置覚認知に誤認を生じさせ、我々が予想していた以上の時間で影響し続けた。さらに、具体的運動能力やパフォーマンスにおいてもその影響を認めることができた。このことから、理学療法の現場においても、この結果は、特に正確な関節運動の再現性を求められる場面においては、留意する必要があることがわかった。
神戸大学の論文

固有感覚認知の影響因子に関する研究 : 筋伸張が関節位置覚認知に及ぼす影響

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