イヌの下垂体および松果体のモチリン様免疫活性:組織化学的研究
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概要
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イヌの下垂体および松果体のモチリン様免疫活性の局在と特性を組織化学的に検討した。下垂体のモチリン様免疫活性について4種類の部位特異的抗血清 (region specific antisera) を用いてその反応性を比較した。さらに合成ブタモチリンとその複数のフラグメントの倍々希釈系による吸収試験という新しい手法によって下垂体のモチリン様免疫活性物質の性状を十二指腸のモチリンと比較した。<BR>得られた結果は以下のとおりである。<BR>1) イヌの下垂体前葉および中葉にモチリン様免疫活性細胞が検出された。松果体細胞には免疫活件は出現しなかった。<BR>2) 下垂体のモチリン様免疫活性は抗血清に依存的である。C端特異血清であるR1105で免疫活性が最も強く, 同じくC端側に特異的なR1104でも明瞭であった。一方, N端側に特異性を有するR1106では500倍の希釈倍率で微弱な呈色反応がみられただけであった。N端特異抗血清GP2803では免疫活性は出現しなかった。<BR>3) 下垂体のモチリン様免疫活性は合成ブタモチリン (Mo1-22) およびそのC端フラグメント (Mo7-22) で吸収された。<BR>4) C端特異抗血清であるR1105についてMo1-22の倍々希釈系による吸収試験を行なうと, 下垂体のモチリン様免疫活性細胞と十二指腸のMo細胞とでは吸収に要する最少抗原濃度に差があった。C端フラグメントMo7-22を抗原とした倍々希釈による吸収試験でこの差は著しく拡大した。<BR>以上の結果から, 下垂体のモチリン様免疫活性はモチリンのC端側に類似した十二指腸モチリンとは異なるペプチドとの交差反応によって生じている事が推測された。
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文
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