米の発芽期における糖類の変化 : イオン交換樹脂クロマトグラフィの応用
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概要
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イオン交換樹脂クロマトグラフィおよびペーパークロマトグラフィを用いて,米の発芽各期における3種の器官(胚乳,芽,根)に含まれる糖を分離定量した (1)未発芽の胚および胚乳では何れもシュクロースが主要な糖で,その他少量のラフィノース,グルコース,フラクトースを含んでいる. (2)発芽後の芽と根においてはラフィノースが消失し,シュクロース,グルコース,フラクトースが増量するが,どの時期をとってもその含有比率はほぼ一定である. (3)発芽後の胚乳においてはグルコースが顕著に増し, 8日目で最大となる.マルトースとシュクロースも同様な変化をするが,シュクロースの含有量は胚乳中の全糖量よりすれば,それ程多いものではない.また発芽後期において構造未決定の少糖類の出現が認められた. (4)予め胚乳より分離した胚を単一の糖で培養し,その中に含む糖を分析した結果,培養に用いた糖の種類に関係なく,通常の発芽をした胚と同様な糖をほぼ同じような割合いで含むことを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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