肉類の貯蔵に関するポーラログラフ的研究(第9報) : 牛肉の有機酸並びに遊離アミノ酸類に及ぼすγ線照射の影響
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概要
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(1) ポリセロで真空包装したγ線照射牛肉の20°貯蔵過程に於ける有機酸並びに遊離アミノ酸類特にクレアチニン及びクレアチンの変化を明らかにし,蛋白波の変化を比較検討する上の参考資料を提供した. (2) γ線照射直後の牛肉中の乳酸量は照射量の増加するにつれて増大するが, 240×104r以上では減少傾向を示した.これに対して,遊離クレアチニン及びクレアチン量は照射量の増加するにつれて減少した.けれども800×104r照射肉からは著るしい減少は認められなかった.また遊離アミノ酸量は照射量の相違によって著るしい変化を示さなかった. (3) 20°貯蔵過程に於ける照射牛肉中の乳酸量は貯蔵の進むにつれて減少した.けれども20°貯蔵21日以後の200×104r以上の照射肉では,その乳酸量は増大傾向をとった.いずれの照射肉に於いてもクレアチン及び第3スポットは20°貯蔵の進むにつれて減少したが,クレアチニンからはかかる減少は認められなかった.照射肉中のアミノ酸類は,いずれもある程度の貯蔵日数までは20°貯蔵の進むにつれてそれらの遊離量も増加した. (4) Jaffé反応による第3スポットはγ線照射の際に生成される物質であり,非照射肉や貯蔵中に生成されるものではなかった. (5) 20°貯蔵過程に於ける照射牛肉から検出された乳酸及び遊離アミノ酸類はいずれも稀薄であったので,牛肉抽出液蛋白波に直接干渉してその波を変化させるものとは考えられない.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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