アルギニンのポーラログラフ波
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概要
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塩化ヘキサミンコバルト[Co(NH3)6C13],NH4Cl, NH4,OH,タンパク質(牛肉タンパク質またはゼラチン),およびアミノ酸類を含む電解液におけるアルギニンのポーラログラフ波を比較検討して,次のような結果を得た. (1) 塩化ヘキサミンコバルトを含むNH4Cl-NH40H電解液中では,-1.3V付近にアルギニソ波をあらわす. (2) タンパク質やアミノ酸類はアルギニン波やコバルト波を抑制するが,ある濃度以内のそれらが共存しても,安定したアルギニン波をあらわして,アルギニン波の波高とアルギニン濃度との間には直線的関係が成立する. (3) ヒスチジンは-1.37V付近にヒスチジン波をあらわす.けれども,5×10--5M以下のヒスチジンでは,共存するアルギニンによって抑制されてヒスチジン波は消失し,安定したアルギニン波をあらわす. (4) ある濃度以内のシスチンまたはシステイン共存下では,-1.15V付近に安定したアルギニン波をあらわす。3×10-4M以上の濃厚なアルギニンを含むシスチンまたはシステイン共存液では,-1.2Vと-1.33V付近に二つの極大をもつアルギニン液をあらわす. (5) 牛肉タンパク質またはゼラチンの共存する場合の結果から見れば,他のタンパク質が共存する場合にも,安定したアルギニン波をあらわすものと考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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