琉球産黒麹に随伴する黄麹菌について
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概要
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(1) 疏球産泡盛麹の主要菌はもちろん黒麹菌であるが,常に随伴する黄麹菌のあることを認めた. (2) これら黄麹菌103株のうち80株はA. oryzae var. microsporusであり,その他A. oryzae18株, A. flavus 4株及びA. sojae 1株であった. (3) これら黄麹菌の大半は外砕米麹及び液体培養のいずれにおいても酸の生成力が大で黒麹菌と同程度を示すものもあり,一般の醸造用黄麹菌にまさることである. (4) これら菌株のprotease生成についての共通の特徴は, 振盪培養における結果であるが,酸性側力価が大で,アルカリ側力価は小であることである.しかもこの酸性プロテアーゼは全般的に在来の黄麹菌に比べて強く,このことはこれら黄麹菌が黒麹の単なる雑菌ではない所以の一つとも考えられる. (5) 外砕米麹とした場合の液化力は,在来の優良黄麹菌と同程度またはそれ以下ではあるが,全供試株の過半数は在来の黒麹菌より大である.すなわち黒麹に随伴することによって,黒麹菌の液化力を補っているかも知れない. (6) 振盪培養における液化力及び糖化力は在来の優良黄麹菌より高い力価を示すものがあった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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