モデル系でのフラボノールによるたんぱく質の非酵素的褐変

概要

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微酸性,加熱下でのフラボノールによるたんぱく質の非酵素的褐変について検討した. 1. ケルセチンによるカゼインの非酵素的褐変はコーヒー酸,クロロゲン酸,カテキンによる場合よりも大きかった.また,褐変度はフラボン骨格で3, 4位に水酸基がある場合, 3位と7位の水酸基によって増強された.また3, 5, 7, 4位に水酸基がある場合, 4位に隣接する水酸基の数によって影響された. 2位と3位の2重結合を還元した場含,褐変度は減少した. 2. N-アセチルカゼインも,ケルセチン,その酸化分解物または酸化褐変物質による褐変が認められ,褐変には必ずしもε-アミノ基の関与を必要としないように思われた.また,ケルセチンの酸化褐変物質は室温下でもカゼインやN-アセチルカゼインに着色を付与した. 3. カゼインとケルセチンとの反応生成物や,褐変溶液との混合溶液はゲル濾過で窒素と着色のピークが一致し,カゼインはケルセチン,その酸化分解物または酸化褐変物質と強固に結合するように思われた.N-アセチルカゼインではピークが一致せず,カゼインに比べて反応性に乏しいものと思われた.
社団法人日本農芸化学会の論文