稲藁の飼料価値 : I. 稲藁の化学的組成-特に炭水化物について
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概要
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稲藁の利用性向上をはかるための基礎として,その炭水化物の種類と分布とを明らかにする目的で本実験を行ない,次のような結果を得た.(1) 供試稲藁は乾物中5.96-6.48%の粗蛋白質を含有し,その65.6-74.5%がトリクロル酢酸沈澱性純蛋白質であった.(2) 供試稲藁は乾物中56.4-63.4%の炭水化物を含有し,その全量の48.6-55.5%がセルロース,35.9-46.0%がヘミセルロースであった.ヘミセルロースはキシランを主体とし,キシログルコサン,キシロガラクタンより成るものと推定された.澱粉系統の炭水化物は全量の3.8-7.3%にすぎなかった.試料Aでは単糖類としてフラクトース1.99%(炭水化物の3.15%),グルコース1.10%(同1.75%),二糖類ではシュクロース0.51%(同0.81%)の存在を確認した.試料B(陸稲藁)の単糖額,二糖類含有量は水稲藁のそれの約40%にすぎなかった.(3) 稲藁には乾物中35.6-37.0%の粗繊維を含有するが,主としてセルロースとヘミセルロースからなり,試料Aではその比率は85:15であった.若干のリグニンを含有していた.(4) 試料Aでは乾物中13.57%のリグニンを含有していた.
著者
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