二十世紀ナシのユズ肌病に関する研究 : (第5報)K施用量ならびに果実中の可溶性K, Ca, Mg含量と障害発生との関係
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概要
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日本ナシ, 二十世紀の果実に発生する生理障害, ユズ肌病の発生と無機成分との関係を明らかにするため, Kの施用量と障害発生, ならびに障害発生樹, 健全樹の果実における可溶性無機成分含量とそれらの相互比を調べた. 結果を要約すると次のようである.1) 5年生二十世紀樹をK濃度が40〜320ppmの砂耕液で栽培したところ, 液のK濃度が高くなるにしたがい障害の発生が多くなり, かつその症状も重くなる傾向がみられた.2) 本障害の多発する園の障害発生樹と健全樹, ならびに障害が全く発生しない健全園の健全樹について, 果実中の可溶性K, CaおよびMg含量を比較したところ,障害発生樹の果実は健全樹のそれに比べてK: 多, Ca:少, Mg: 多の傾向を示した.一方, これらの成分の相互比をみたところ, Ca/K値は5月上中旬と6月下〜7月下旬の2時期において, 障害発生樹が健全樹より低い傾向にあった.またCa/Mg値は生育期を通して障害発生樹の果実が低い値を示していた. しかしながらMg/K値については,障害発生との間に関連性がみられなかった.3) 6月中旬に果肉中のエタノール可溶性Ca, MgおよびK含量を測定し, 障害発生およびその程度との関係を調べたところ, 障害発生樹はCa含量が少く, K含量が多い傾向にあった. またこれらの含量と障害発生程度との間にはCaではr=-0.56の相関が認められたものの, 他の成分では低い相関しかみられなかった.一方各成分の相互比と発生程度との関係をみると,Ca/K値においてはr=-0.76のかなり高い相関がみられ, またCa/Mg値についてはr=-0.67の高い相関が認められた. しかしMg/K値と障害発生程度との間には, r=-0.26の低い相関しかみられなかった.4) 以上のことから, 果実発育初期から中期の時期に,果実中の可溶性Ca含量が少いか, あるいは相対的にK,Mg含量が多いこと, およびK, Mgに対するCaの相互比: Ca/K, Ca/Mg値の低いことが障害発生に関連していると考えられた.
- 園芸学会の論文
著者
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田辺 賢二
鳥取大農学部
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林 真二
鳥取大農学部
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平田 尚美
千葉大園芸
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田辺 賢二
鳥取大学農学部
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林 真二
鳥取大学農学部農学科園芸学研究室
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平田 尚美
鳥取大学農学部農学科園芸学研究室
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平田 尚美
鳥取大学農学部
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林 真二
鳥取大学農学部
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