ニホンナシ'二十世紀'が秋季に蓄積した ^<13>C 同化産物の翌春における転流

概要

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休眠期から生長期にかけての炭水化物の動向を調査するため3年生'二十世紀'樹に10月に^<13>CO_2を2回取り込ませた.落葉後には樹に保有された^<13>Cの約63%が根に分布していて, 開花期において^<13>C含量は旧器官の内, 地上部では約53%, 地下部では60%近くまで減少していた.落葉後に保持されていた全^<13>Cの内, 約35%は落葉後から翌年の開花時までに呼吸により消費された.満開時には新生葉, 花および新根に, 落葉時の全^<13>Cの8.5%, 9.9%および3.9%がそれぞれ分配されていた.開花1ヶ月後には, 旧器官における^<13>C量はさらに減少した.一方, 新しょうおよび新葉の^<13>C量は開花時に比べ増加した.しかし, 幼果においては花弁, がく片, 雄ずいおよび雌ずいの一部の脱落により, 残存^<13>C含量は劇的に減少した.新生器官の中でも新根は^<13>Cの含量が最も高かった.以上の結果から, 幼年齢のナシ樹において根系は同化産物の蓄積に重要な役割を果たしているものと考えられた.さらに新生器官形成時の初期においては, 開花後数日間は蓄積された炭水化物に依存しており, 中でも根部はより長い間依存していることが認められた.
園芸学会の論文
1999-03-15